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法律相談BOX−質問箱−

 村八分(共同絶交宣言)は不法行為になりますか?

 私は,地域住民から連名の書面にて,「個人的なつきあいはしない」旨の文書を送付されました。
 いわゆる村八分の宣言ですが,このようなことをされて,とても傷ついています。
 慰謝料を請求することができるでしょうか?

 村八分も社会通念上ゆるされる範囲を超えた「いじめ」「いやがらせ」となる場合には,不法行為となり慰謝料請求の対象となります。

八分とは


 村八分とは、日本の社会の中で,掟や秩序を破った者に対して課される制裁行為についての俗称です。
 地域内の住民が結束して交際を絶つことであり,共同絶交宣言とも言われます。
 人間関係が希薄になる中で,ちょっと古くさい言葉ではありますが,現在でも,田舎に限らず,かような行為は,まま見受けられるところです。
 では,どのような場合に,村八分が不法行為となるのでしょうか。

例にあらわれた事例

 津地裁平成11年2月25日判決では,地区内で簡易水道の利用を認めるか否かで対立する中で,地域住民が一住民(原告)に対して共同絶交宣言を行い,さらに原告の妹弟や娘を呼んで地区住民に謝罪するよう要求したものであり,社会通念上許容される範囲を超えた「いじめ」「嫌がらせ」とされ,慰謝料30万円が認められました。

 この判例では,被告側は自治組織内の争いは地域の自治に任せるべきであって,自律的な法規範をもち社会ないし団体にあっては,当該規範の実現は,内部規律の問題であって,司法権に服さないといういわゆる「部分社会の法理」を主張しています。
 しかしながら,これに対しては,判決は,人格権侵害という一般市民法秩序に関する問題であって,地域の自治に任すべき内部的問題ではないと判断しています。

 次に大阪高裁平成25年8月29日判決をご紹介します。
 この事例では,同一地区の住民が「近隣との関係が改善されない限り,町行政に関わりのない個人的な付き合いをいたしません」と言う通知書を送った共同絶交宣言について原告ひとりあたり44万円の慰謝料が認められています(4万円は弁護士費用)。

 この事案では,通知書以前から,地区内の住民が原告らを無視したり,仲間はずれにしたり,誹謗中傷する書面が配られるなどしていたことを認定し,さらに,通知書の撤回要求や法務局による調査にもかかわらず,その撤回を渋り,地区内に居住する人がなくなっても従前されていた方法での連絡をしない等,通知書の内容を実現するような行動をしていることも理由の一つとしてあげて,原告らの人格権を違法に侵害しているとしました。

 なお,最終的には,被告側は,通知書を撤回して謝罪をしたにもかかわらず,提訴をしたのは,「禁反言」の原則に反するなどと主張しましたが,提訴をしない約束はなかったとして,裁判所はこの主張を認めませんでした。

 かように共同絶交宣言も不法行為の対象となり得ますので注意が必要です。
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