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法律相談BOX−質問箱−

 注文者から請負契約を解除した場合の精算はどうなりますか?

 当社は,ビル建築を受注して工事をして参りましたが,突然,注文主から「建築は中止する」と言われました。
 注文主は,すでに行った工事の材料費や人工代は支払うと言っていますが,工事をしていれば得られた利益も貰えないと納得いきません。
 そこまで請求することは可能でしょうか?

 請負人に責任がなく注文者からの一方的な解除の場合の損害賠償は,得られたはずの利益も含まれるとされています(同趣旨の判例があります)。

 注 文者の解除権


 民法641条は,注文者に対し,請負人が仕事を完成する前である限りは,いつでもその理由に関係なく請負契約を解除することを認めています。
 これは,注文者に対して不要な仕事の完成を強制することはなく,かつ社会経済的見地からも意味がないからです。
 さらに,請負人に損害を賠償すれば請負人にとって何ら不利益はないから中途解約を否定する必要がないとも言えます。
 かような趣旨から,注文者は,理由の如何をとわず注文を解約できるとされています。
 なお,上記の注文者からの損害賠償請求は,請負人に何ら落ち度がないことが前提です。
 請負人に工事ミス等の落ち度があって,注文者が契約を解除する場合とは場面がことなりますので,ご注意下さい。

 請 負人への損害賠償の範囲は?

 かような場合につき,判例は,請負人の受けられる賠償の範囲を広く認めています(東京高裁昭和60年5月28日判決等)。請負人保護のために,契約解消と因果関係のある全損害に及ぶとするのが通常です。

 請負人は,自分の工事には何らのミスがないのに,注文者側の一方的事情により工事中途で解除されるのですから,これによって,材料費や人工代等の実費といえる直接的損害の賠償を請求することは当然できます。
 そして,それを超えて,工事完成により得べかりし利益も損害として請求できるものとしています。判例では,得べかりし利益として,工事費用の5バーセントを認容しています。

 もっとも,解除によって,請負人が逆の利益を得ている場合には,「損益相殺」として,その部分は賠償額から控除されます。

 たとえば,
@既成工事部分の原状回復により回復された材料で転用・売却できるものがある場合
A請負人が請負契約が解除されて仕事完成義務を免れたために費用の支出を節約できた場合
B未工事部分の仕事のために手配された労働力や材料を他に転用・売却することによってその対価を取得することができる場合
等の事情の場合です。
 なお民法641条の解除がなされた場合に,請負人は既になされた仕事部分を注文者に引渡す義務があるかどうかですが,損害賠償に仕事の既成部分に相当する報酬が含まれているのであれば,公平の観点からは,請負人は既になされた限度において,その成果を引き渡すべきでしょう。
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