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法律相談BOX−質問箱−

 血縁関係がないことを知って認知した場合と無効の主張

 私は,妻と結婚するにあたり,妻が妊娠していた子供が自分の子供じゃないと知りつつ認知しました。しかし,その後,妻と折り合いが悪くなり離婚することになりました。
 そこで,認知した子について,認知の無効を主張したいのですが,可能ですか?

 権利の濫用にならない限り,実子でないと知っていただけで認知の無効が主張できなくなるわけではありません。

 実 子じゃな子の認知は無効か


 まず,そもそも,認知をした子が実子じゃない場合に,客観的に,その認知は効力のないものとして無効となるのでしょうか。

 結論から言うと,通説も判例も,血縁関係がなければ認知は無効としています。

 例えば,最高裁昭和50年9月30日判決は,「認知により法律上の親子関係が発生するには血縁関係にある父又は母において認知することを要し,そうではない者を戸籍上嫡出子として届け出ても,それにより認知の効力を生ずるものと解することはできない。」と判示して,そもそも認知の効力が生ずるためには血縁関係にあることか必要としています。

 認知をするという本人の意思よりも,客観的な血縁関係という事実を優先することで法的な安定性を図るということを優先したものと思われます。

 認 知をした者が認知の無効を主張できるか

 では,血縁関係のない子の認知が無効だとしても,その無効を認知者が自ら主張することはできるでしょうか。
 この点,認知をしたものが,血縁関係がないことについて誤解をしていたという場合には,何ら認知者に責任はなく,認知の無効の主張は許されると思われます。

 問題は,認知をするものが,子供と血縁関係がないことを知っていた場合です。
 かような場合に,血縁関係かないことを知りながら認知をしたのに,後に認知者が血縁上の父子関係がないことを理由に認知の無効を主張するというのは矛盾した態度であるので,そのような者は保護に値しないという考えもありうるところかと思います。

 また,身分関係というのは,社会の根幹であるので,基本的な安定性が必要とも思われ,安易に無効の主張を許すべきではないとも思えます。
 もっとも,血縁関係がないと知って認知をするのは多様なケースが考えられます。
 例えば,
@子の母と婚姻するに際して頼まれて,その子を認知したが後にその母と離婚した場合
A子の置かれた境遇に同情して認知したが後に事情が変わった場合
等がありえます。
 かような場合に,一律に自ら認知をしたのだから無効とはできないとすると,酷なケースもあり得ます。

 この点,最高裁平成26年1月14日判決は,「認知者は、民法786条に規定する利害関係人に当たり,自らした認知の無効を主張することができ,この理は、認知者が血縁上の父子関係がないことを知りながら認知をした場合においても異ならない。」と判示しました。

 なお,かような場合において,逆に子側が酷な状況におかれる場合には,権利の濫用の法理をもって,認知無効の主張を制限することはあり得ます。
 上記判例も,そのことを言及しています。

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