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法律相談BOX−質問箱−

 未成年者の交通事故と親の責任

 長男が,バイクで事故を起こしてしまいました。長男は専門学校生で,私の自宅に同居しており,学費や生活費の一切は,私が負担をしています。ただ,バイク自体は,子供がアルバイトで購入していたものです。
 このような場合,親である私に損害賠償の義務があるのでしょうか。

 一定の要件のもとで,親独自の不法行為責任,或いは,自賠法上の運行供与者責任が認められます。

 未 成年者の事故と親の責任


 未成年者が交通事故を起こした場合,まず原則としてはその未成年者自身が損害賠償責任を負います。

 もっとも,12〜3歳以下の年齢の場合には責任能力がないことになりますが,通常,バイクや自動車を運転しているとすれば,18歳以上であり,責任能力があると思われます。

 もっとも,子供に責任能力があっても,通常,子供は資力がないので,かような場合,資力のある親に責任をとってもらいたいと思うのが通常です。
 では,どういった場合に,親の責任を追及できるのでしょうか。
 この点,
@親に対して独自の不法行為責任(709条)を追求すること,
A親に自動車損害賠償責任保険法上の運行供用者責任(法3条)を追求すること,
が考えられます。

 親 が不法行為責任を負う場合

 まず,親が民法709条の不法行為責任を負うのはどのような場合でしょうか。
 この点,どんな場合でも,不法行為責任を負うのではなく,監督義務者である親に不注意があって,その不注意と未成年者の交通事故との間に相当因果関係がある場合が前提となります。

 例えば,子供に非行歴があったり,普段から無免許運転を繰り返していたのを放任していた場合等です。

 判例上も,同様であり,例えば,岐阜地裁平成25年7月19日判決は,
@子供は,本件事故当時18歳で,愛知県にある大学の寮で生活をしており,両親とは同居していなかったこと,
A子供に非行歴がなかったこと,
B子供は,本件事故当時,右足のふくらはぎから足の裏にかけてギプスで固定していた。
等に照らすと,両親が,子供が本件事故当日無免許運転に及び本件事故を起こすことを予見することは困難であったというべきであり,両親において相当な監督をしていれば子供が本件事故を起こすことを防止できたということもできないので,両親に監督義務違反があったとはいえないとしました。

 かように,不法行為を理由に親の責任を追及するのは必ずしも容易ではありません。

 自 賠法上の運行供与者責任を負う場合

 この点,そもそも,親が所有する車両の事故に関しては,一般的に運行供用者責任が肯定されます。
 次に,子供が所有する車両の事故に関する親の責任については,親が車両の購入や維持管理等の費用を負担していれば、親の運行供用者責任が肯定される可能性があります。
 さらに,子供がアルバイト収入等で車両の維持管理費を負担しているとしても,両親が親権者として加害車両の運行に対し支配を及ぼすことが可能な場合には,責任を認めています。

 判例上も,例えば,大阪地裁平成2年5月31日判決は,加害者である子供が通学目的で購入し,アルバイト収入をもってその代金に充てた加害車両(自動二輪車)での事故で,加害者は19歳の大学生で,その父親らと同居し,学費はもとより生活自体,父親の援助の下に成り立っていたこと,父親は加害車両購入に承諾し,折にふれて加害者に対して安全運転を心がけるように注意したり,加害車両を父親方玄関前の敷地に駐車させてこれを保管していたことから、父親は加害者とともに運行供用者に当るとしています。

 逆に,未成年者が経済的に独立し,親の援助を全く受けていない場合には,親の運行供与者責任を認めるのが難しいと思われます。
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